2011年6月30日木曜日

異国迷路のクロワーゼ

武田日向のマンガ『異国迷路のクロワーゼ』のアニメが7月から始まるらしい。
ということで楽しみにしていたのだが…今日公式サイトを見てみたら京都では放送されない!?ということが発覚。
まさかの展開だ。このショックは大きい。武田日向の絵はとっても可愛いので、アニメで動くのを心待ちにしていたのに。

『異国迷路のクロワーゼ』は19世紀のパリの下町を舞台に日本の少女湯音と、潰れかけの鉄工芸店の店主クロードの交流を描いた作品。まぁこのマンガは内容よりとにかく絵が素晴らしい。まず湯音が可愛すぎる。そして背景などの描き込みも綺麗で、湯音が可愛い。


どうも絵(湯音)のことばかり褒めてしまったが、それなりに内容もあってただの萌えマンガではないので誤解されませんように。

ただこの作品、一つ難点がある。刊行ペースがやたらと遅いのだ。現在『月刊ドラゴンエイジ』で連載されているようだが、最新刊である2巻が出てからすでに2年以上が経過。アニメ化を機に3巻が出るのではと予想していたのだが未だ3巻発売との情報はなく…。
アニメが放送されないならせめてはやく3巻出てくれないかなぁ。

2011年6月29日水曜日

ガールズ・ブルー

あさのあつこの『ガールズ・ブルー』を読んだ。


一気に読んでしまった。めちゃくちゃおもしろかった。
自分が高校生だったころ漠然と感じていた想いに、言葉が与えられたような印象。こんな言葉が自分にもあったらって思う。まぁこういう言葉を持っているから作家なのだろう。でもやっぱり羨ましい。

しかし羨ましがっていても仕方ないので『ガールズ・ブルー』の中で印象に残った場面を一つ紹介。それは「美談」について語られる場面だ。
思わずうるっときてしまうような美談。それはたとえば急死してしまった元監督のために頑張る高校球児であり、駅のゴミ箱まわりでゴミ拾いをする落ちこぼれ高校の生徒だったりする。これらはうわべだけ見ればいい話だ。しかしその裏にはまったく別の物語がある。高校球児は元監督とウマが合わず、新監督のもと伸び伸び野球をやっているだけ、高校生は自分の捨てたごみを自分で拾っただけだった。そんな背景を知らずにうわべだけ見ていい話だと思い込むのは危険だというのだ。

東日本大震災があり、ニュース番組ではたくさんの美談が報道された。だがそんな美談にも、隠された裏の物語があったのかもしれない。なんとなくさみしい考え方のような気もするが、原発の安全神話も崩れた今、世の中のいろんなことに疑いを持つということは大切なことかもしれない。

2011年6月27日月曜日

論理と感性は相反しない

山崎ナオコーラの『論理と感性は相反しない』を読んだ。タイトルと表紙に惹かれて買ったのだが、まぁおもしろかった、と思う。


『論理と感性は相反しない』は十四編を収録した書き下ろし短編集で、登場人物がところどころ被ってくるので連作短編的でもある。

表題作「論理と感性は相反しない」は論理的な考え方をする真野秀雄と感性の世界に生きる神田川歩美の二人の話。これは文句なしに良い。
他に印象的だったのは「ブエノスアイレス」と「秋葉原」の二作。この二作は世界の裏側、自分のちょうど反対の位置に立っている存在(アンチポデス)の物語としてセットになっていておもしろい。

ただ、短編集としては全十四編中印象に残ったのが三編と、やや物足りなかった感は拭えない。

2011年6月26日日曜日

兵どもが夢のあと

先日自然遺産に登録された小笠原諸島に続き、岩手県平泉の遺跡が文化遺産に登録されたらしい。こんな風に相次いで日本が世界遺産に登録された背景には東日本大震災に遭った日本を応援しようという世界の想いのようなものもあるのかも知れない。関係ないかな?でもあったらいいな。

平泉といえば奥州藤原氏、源義経、そして松尾芭蕉。

奥州藤原氏は平安時代後期、四代にわたって平泉の地を治め平泉の最盛期を築いた豪族。中尊寺金色堂をはじめ有名な建造物のほとんどはこの時代のもの。
源義経は言わずと知れた源平の戦いの英雄で、平泉の地で命を落とした。頼朝に追われた義経が平泉へ逃げる道中を描いた歌舞伎『勧進帳』は有名。
松尾芭蕉は江戸時代の俳人。『おくのほそ道』の旅の中、平泉で
―夏草や兵どもが夢のあと―
―五月雨の降り残してや光堂―
という二句を詠んだ。

とまぁなんとなく知っていることを無駄に書いてみた。

2011年6月25日土曜日

自然遺産の矛盾

昨日小笠原諸島が世界自然遺産に登録された。これは小笠原諸島の自然環境の価値が世界に認められたということで喜ばしいことだ。

しかしいろいろニュースを見ているとどうも自然遺産への登録は良いことばかりではないらしい。観光客の増加による自然破壊が心配だというのだ。保護し、未来に残してゆく価値を認める自然遺産のはずが、自然破壊を助長する結果になってしまうとはなんとも皮肉なものだ。
しかも、観光を自粛すれば良いかと言うとそれでは小笠原諸島の経済は大打撃を受けるだろうし、世界に認められる素晴らしい自然なら見てみたいと思うのが人情だろう。

自然遺産に登録されるというのは良い意味でも悪い意味でも大変なことなのだなぁ…。

初投稿

2011年6月25日。突然思い立ってブログを開設してみた。ちなみにブログタイトルは中島敦の『光と風と夢』から。

日々胸のうちに溜まってゆく想いを、考えを、感動を、言語化してみようと思う。

そうは言うものの肩肘張ってもしょうがないので、更新頻度も文字数も決めず、気楽にやっていきます。